最近人気急上昇中のグルメ?漫画です。
主人公は井の頭吾郎。中年の、孤独を愛する輸入雑貨商です。「男は基本的に体ひとつでいたい」というわけで、独身で店も持たない主義。谷口ゴローの描く彼は少し寂しげな影を漂わせるナイス・ミドルというわけで、このあたりが女性読者(4割いるそうですが)のハートをつかんでいるのかもしれません。
さて、内容はというと、ただ単に井の頭五郎がご飯を食べているだけです。…なんていうと一言で終わってしまってみもふたもないのですが、谷口ゴローの圧倒的な画力と、その日常性があいまってなんとも不思議な魅力をかもしだしています。久住昌之はこういう「日常小ネタ」を書かせたら右に出る者はありませんね。その昔、ダンドリくんというこれまたさえない漫画家の卵の日常生活を描いた漫画があったのですが、その頃から持ち味は変わっていません。彼の最高傑作は夜行(かっこいいスキヤキ所収)
だという人もいます。「食べる」ということを表現させたら天下一品です。
さて、作中では人間発電所になったり、もと空手家にアームロックを決めたりする井の頭吾郎ですが、作中でこの漫画のテーマともいえる名セリフがあります。「モノを食べるときはね、誰にも邪魔されず、自由で、なんというか…救われてなきゃあダメなんだ。独り静かで豊かで…」本作のテーマは、まさにこの言葉に集約されているといっていいでしょう。レストランなどで、ひとりで食事することをためらう人も多いかと思いますが、たまには一人で出かけてみてはいかがでしょうか。
孤独のグルメ 【新装版】1,200円
孤独のグルメ (扶桑社文庫)
(2009.02.14追記)
久住昌之名義で、「野武士のグルメ」が出版されました。
なにやら豪快さんのような浪人者が飯を食うマンガでしょうか。
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