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柴田ヨクサル

ハチワンダイバー 10巻 柴田ヨクサル 集英社

鬼将会に叩き落された「独立将棋国家」で丸裸にされたハチワンは、薪割りで得た100円を元手にわらしべ長者よろしく真剣で資金を増やしていきます。倍々ゲームで元手を増やしていきながら、二こ神流雁木と振り飛車を併せ持った「ハチワンシステム」なる新戦法を編み出し、急速に錬度を上げていくハチワン。10巻では、”そよ”がなぜここまで鬼将会を憎むのか、その秘密が明かされます。父を兄を賭け将棋で失った”そよ”は、ハチワンを救出するためにメイド縁台将棋なる仕掛けで鬼将会を釣ります。みごとにひっかかった鬼将会。
そして、なぜか地下にはなぜか漫画家・文字山が。ハチワンと鬼将会を乗っ取る宣言。面白いなあ~、この人。この漫画で一番好きかもしれない。
さて、この地下は100万円貯まれば出て行けるらしいのですが、最後に出てきたのが地下最強の「右角」。他のメンバーを乗り手に、ハチワンと最後の勝負、というところで引き。相変わらずウマいですなー。きちんと単行本の読者も想定して構成してるんでしょうね。他のヒット作(ノノノノ)あたりも同様なので、はっきり編集部の方針なのでしょう。最近のヤングジャンプは本当に面白い。

ハチワンダイバー 9 柴田ヨクサル 集英社

表紙がますます場末のスナック風に・・・。それはともかく、マムシを救った菅田は、彼をある人に託し、鬼将会を追い続けます。餌となった挙句拉致された菅田は、自分の部屋が燃やされているのを見せつけられた後で「独立将棋国家」に放り込まれます。そこは、衣食住を保障されたビルの中の空間。なんと銭湯まであります。こういう、「都会の死角」みたいな、場面設定の上手さは彼ならでは。また、そういう特殊な環境の中でのドラマ作りも彼ならでは。
ラストに出てきた、謎のぴちぴちスーツの女は・・・。と、またもや上手いヒキで、次は10巻です。

ハチワンダイバー 8 柴田ヨクサル 集英社

 ついにマムシとの命と小指を賭けた将棋が始まってしまいました。結果は・・・言わずにおきましょう。ですが、この将棋で菅田は2つの壁を破ります。

また、鬼将会の真の目的の一端がついに明らかになります。それからどうするの?とも思いましたが、いろいろな先の展開が予想できるものです。

ハチワンダイバー 7 柴田ヨクサル 集英社

 「このマンガがすごい!2008」(宝島社)オトコ編 第一位、週刊現代「07年このコミックが面白いBEST20」 第一位、朝日新聞「このマンガを読め!2008」第二位、など、ヤングジャンプのスマッシュヒットとなっている柴田ヨクサルの将棋マンガの7巻です。ヤングサンデーの休刊など、このところ元気のない青年誌の中で唯一気を吐いているヤングジャンプの一角をなすマンガですが、確かに面白い。もともとは「谷仮面」など、ちょっと変わったペンネームとちょっと変わったマンガで一部のコアなマンガ読みに人気だった柴田ヨクサルですが、前作「エアマスター」でその認知度を大いに高め、またメジャー化の感覚を掴んだようで、このハチワンダイバーではその感覚が大ブレイクしているように思えます。とはいっても、そこは柴田ヨクサルならではの「変な味」は相変わらず。主人公の菅田の成長を縦軸に、中静そよとの恋愛模様を横軸に絡め、まさに王道を行くエンターテインメントに仕上がっています。

7巻では、鬼将会(きしょうかい)の手がかりをさぐっていた菅田の前に、謎のゲーセン小僧が現れ、アーケードゲームに挑むところから思わぬ糸口が・・・。そして、ついに鬼将会の末端にたどり着いた菅田を待っていたのは・・・。という、核心に迫るストーリーになっています。すべてを見せず、さまざまにちりばめた伏線を少しずつ畳みながら物語は進んでいきます。将棋をまるで知らなくてもぐいぐい引き込まれるあたり、上手いですね。このあたりは将棋マンガの傑作「月下の棋士」でも同じですが。

また、主人公の菅田は、柴田ヨクサルのマンガには初めて登場すると思われる、一度挫折を経験した男です。一巻の冒頭では、くらい目をした菅田の日常が描かれていますが、それも彼の魅力を引き立てているといえます。その意味では、ドラマの配役はちょっと・・・ですが。

というわけで、ますます目が離せない「ハチワンダイバー」、これからも要注目ですね。
ハチワンダイバー 7(ヤングジャンプコミックス)