岳 1巻 石塚真一 小学館
ビッグコミックオリジナルで好評連載中の「岳」の1巻です。マンガ大賞(2008年)に続き、この1月に、小学館漫画賞を受賞しました。世界中の山を登り、日本に帰ってきた島崎三歩。民間の救助ボランティア団体である山岳遭難防止対策協会(遭対協)に参加しながら、北アルプスにテントなどを張って居住中。
岳の人気の秘密は、山岳救助という、極限状態から救出されるカタルシスを描いた部分も大きいのですが、もうひとつ、三歩の自由な生き方にもあるようです。テントをマイホームと言い切る「持たない」すがすがしさは、救助されたサラリーマンのマイホームに対するこだわりと、くっきりとしたコントラストを描いて私たちに問いかけてきます。「所有することが幸せなのか?」と。
同様に、持たないことを身上とする主人公に、「孤独のグルメ」の井の頭五郎がいますね。「男は基本的に体ひとつでいたい」という彼の独白は、いろいろなしがらみにがんじがらめにされた日本の男に問いかけてきます。「それでいいのか?」と。
社会というシステムの中から飛び出す勇気も根性もない私のような人間には、この二人はまぶしすぎて、ついつい手にとってしまうのかもしれません。
ビッグコミック系は長期連載が多いので、あと10年は楽しめるかな、と思いながら、次を楽しみに待ちたいと思います。
Posted: 6月 20th, 2009 under その他の漫画家.
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